IPCC第4次評価報告書(AR4)作成作業の流れ/スケジュール(2003年〜2007年)
報告書骨子(章立て)の検討〜決定
AR4各WG報告書骨子案(章立て)作成のため、2003年4月マラケシュ(モロッコ)および2003年9月ポツダム(ドイツ)において、2回にわたり、専門家によるスコーピング会合が開催された。これら会議の結果として提出された骨子案について、2003年11月ウィーン(オーストリア)におけるIPCC第21回総会にて審議し、AR4各WG報告書の骨子が確定した。
AR4統合報告書(SYR)の骨子検討〜決定の流れは、上記各WG報告書の動きより1年遅く、まず、2004年7月ジュネーブにて専門家によるスコーピング会合を開催して骨子案を作成し、その案について、2004年11月デリー(インド)におけるのIPCC第22回総会にて審議を行い確定した。
執筆者の推薦〜選考
第21回総会(2003年11月)にて合意された骨子に基づき、実際にAR4の執筆を担当するCLA(統括執筆責任者/調整役代表執筆者)、LA(主執筆者/代表執筆者)およびWG毎に全体の査読を行うRE(査読編集者)についての推薦と選考が行われた。
推薦は、IPCCからの依頼に基づき、各国政府/各国専門家が行い(2004年1月締切)、これにより推薦を受けた研究者の中から、IPCCビューローが選考を行った(2004年4月)。
※各WGにつき約200名、合計約600名が選出された。(その後の追加/辞退により数に変動はあるが、選考後初の総会の第22回総会(2004年11月)に報告されたところでは、WG1:CLA/LA 計140名、RE 37名、 WG2:CLA 47名、RE 125名、RE 46名、WG3:CLA 25名、LA 134名、RE 25名のとおりであった)
※統合報告書の執筆者については、上記のとおり選出されたメンバーの中から、議長を中心に、CWT(Core Writing Team)メンバーの選考を行い、IPCCビューロー会議(2006年4月)に諮り決定し、同月のIPCC第25回総会にて報告された。
報告書ドラフト作成〜レビュー(査読)
各WG報告書のドラフト作成作業は、上記執筆者の確定を受けて開催された、各WGの第1回LA会合の開催とともにスタートした。(WG1:2004年9月、WG2:2004年9月、WG3:2004年10月)
また、2006年末から2007年初頭にかけて開催された各作業部会の第3回LA会合以降はREも参加しての検討が行われた。AR4作成に関してLA会合は各作業部会共通で各全4回開催された。(2006年10月のWG3第4回LA会合をもって、全作業部会に関してLA会合開催は終了)
WG報告書については、執筆者によるドラフト作成作業が行われ、それについて、専門家レビューもしくは専門家・政府レビューを行うという一巡のプロセスを3度行い、2007年1-2月(WG1)、4月(WG2)、5月(WG3)の各作業部会総会において承認された。
各WG報告書作成スケジュール(日本語)
* 但し、最新情報については、以下のIPCC各WGのサイトを参照のこと。
WG1:http://www.ipcc-wg1.unibe.ch/
WG2:http://www.ipcc-wg2.gov/
WG3:http://www.ipcc-wg3.de/
『統合報告書(AR4 SYR: Synthesis Report)』については、UNFCCC COP13(2007年12月3-14日)への提出を目的として作成を行った。
(執筆メンバーについては、上述のとおり、2006年に議長を中心にコアメンバー選考が行われ、2006年4月のビューロー会合にて確定し、2007年5月上旬までに全WG報告書が承認されたのを受けて、本格的なドラフト作成準備を開始した。)
統合報告書に関しても、2回にわたり(専門家/)政府レビューが行われ(第1回政府レビュー:2007年5月下旬〜7月中旬、第2回政府レビュー:同8月下旬〜10月下旬)、2007年11月のIPCC第27回総会で承認された。
報告書の承認
IPCCの報告書は、「IPCC総会」において正式に承認をうける、という手順を踏むこととなっており、AR4の各作業部会報告書についても、各"作業部会"総会にて承認された後、2007年5月に開催された第26回IPCC総会において、「3つの作業部会報告書全体として」一括承認(採択)された。
また、AR4統合報告書については、2007年11月の第27回IPCC総会にて、審議・承認された。