PROJECT私たちの取り組み

PROJECT06

洋上風力

四方を海に囲まれた国だからこそ、日本は洋上風力発電の可能性にあふれている。

日本気象協会では、かねてから再生可能エネルギーの推進に取り組んできました。風力発電はその代表的な取り組みの一つです。四方を海に囲まれている日本ですが、今までは陸上でのプロジェクトが中心でした。しかし、技術の進歩に伴い洋上での発電が可能となったことから、現在は日本周辺の海域で洋上風力発電プロジェクトが推進されています。現在は沿岸部(着床式洋上風力発電)が主流ですが、将来は海上(浮体式洋上風力発電)へと更なる設置エリアの拡大が予定されており、日本における洋上風力発電は大きな成長の可能性を秘めています。

洋上風力発電プロジェクトを進めるにあたっては、計画しているエリアにおいて年間を通してどのような風が吹くかを実際に観測して把握することが重要です。風況(ふうきょう:特定の場所での風の吹き方)は、計画エリアにおける発電量に直結し、発電量の多寡は洋上風力発電プロジェクトが事業として成り立つかを決める重要な要因となります。いざ海上で風況観測を行うとなると、電気など観測に必要なインフラが無いうえ、波浪や気象の影響により非常に困難を極めます。また、観測機器を置けば調査ができるわけではなく、洋上風力発電の計画に利用できる精度の観測データを取れるよう風況観測機器を適切に運用・管理しなくてはいけません。さまざまな状況を想定して知恵を出し合い、精微な観測を実施することが私たちの使命です。

今後技術の進歩とともに洋上風力発電はさらに沖合に、また大型化し、調査にかかるコストも大きくなっていきます。日本気象協会では、風況観測と数値シミュレーションを組み合わせて年間発電量を求めるなど、さまざまな提案ができるように技術開発や検討を進めています。より低コストで正確なデータを提供できるようになれば、日本の洋上風力発電の発展に大きく貢献できると思います。日本気象協会は、これからも再生可能エネルギーの普及・推進を目指して取り組んでいきます。

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DATA|風況

気象を軸に、さまざまなプロジェクトに挑戦できる

環境・エネルギー事業部 環境解析課
長田賢志

学生のときは、土や植物といった他分野の研究をしていましたが、その中で得られた調べる力やデータ解析の考え方は、今のプロジェクトを推進することと共通しています。色々な背景を持った人でも気象を軸にして様々なプロジェクトを進めることができるのは気象分野の裾野の広さゆえの魅力であり、また以前から膨大な気象情報を扱ってきた日本気象協会ならではだと思います。本プロジェクトで得られた知識とこれまでの経験を基礎にして、今後も新しいビジネスの創出に挑戦したいと思います。